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特定社会保険労務士 小山労務管理事務所


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401K・企業年金

◇私的年金制度・退職金制度
 増えた選択肢にどう取組みましたか
 これからどれに移行しますか

ー 移行パターン
ー 制度の組合わせと割合
ー 資産移管
ー 掛金設定
現在の企業年金を継続
(厚生年金基金・適格年金)
新企業年金へ移行 DC、DB
(規約型・基金型)
確定拠出年金DC(日本版401K)
混合型年金CB
年金制度の廃止
自社年金 中退金 特退金  
退職一時金 退職金前払制度(一部・全部)  
  • 退職給付制度と退職給付債務
  • 従来の退職給付制度
  • 新しい年金制度の登場と適格退職年金の廃止
  • 環境変化
  • 税制適格年金から混合型への移行⇒選択肢の拡大
  • 退職給付制度と退職給付債務

    2001年3月期に退職給付に係わる新しい会計基準が導入され、すべての退職給付制度について退職給付債務=PBO(市場金利の割引率により時価評価した負債)及び退職給付費用の内訳等を財務諸表に注記として開示反映させることが義務づけられた

    その結果
       ー 退職給付制度に対する積み立て不足の顕在化(隠れ債務)
       ー 積立不足償却のための費用が企業収益を圧迫
       ー 運用環境の悪化による追加費用負担の発生

    ※基準導入直後の運用環境の悪化は積み立て不足の拡大と、一層の償却費用の負担を強いられ、企業財務に大きな影響を及ぼし企業が退職給付制度を改定する契機となった。

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    従来の退職給付制度

    ・企業年金(厚生年金基金・適格退職年金)
    ・退職一時金制度(引当金等による社内準備)
    ・中小企業退職金共済制度
    ・特定退職金共済制度(建設業・清酒製造業・林業退職金共済制度)
    ・その他

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    新しい年金制度の登場と適格退職年金の廃止

    ・確定拠出年金(DC)  2001年(平成13年)10月
    ・確定給付企業年金(DB)  2002年(平成14年)4月
    ・厚生年金基金の代行返上(将来分2002年4月、過去分2003年9月)
    ・適格年金の廃止(2012年3月までに廃止)・・・残りあと1年半程です

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    環境変化

    ・雇用形態の多様化
    ・公的年金の改正(2000年、04年)、支給開始年齢の引上げ・・・2025年65歳支給
     基金運営の弾力化措置・・・DBの政省令、法整備される
    ・運用リスクの顕在化
    ・無税引当金の廃止
    ・成果主義の浸透(年俸制・ポイント退職金

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    税制適格年金から混合型への移行⇒選択肢の拡大

    バブル崩壊後の株価低迷で、DB(確定給付型年金)を採用する企業は予定利率を下回った分の穴埋めを迫られている。02年に運用利率を国債などに連動させる「キャッシュ・バランス・プラン」が登場したが、目標利回りに株価指数を採用できず、市場運用が低迷し企業負担が生じている。

    中小企業を中心に普及した適格年金は平成24年3月までに廃止となるが、移行や解散が済んでいない適年がまだかなりの数が残っている。(08年9月末での受託件数は29,321件)

    適格退職年金から確定拠出年金【企業型及び個人型】又は中小企業退職金共済制度への移行数は適格退職年金契約の全部又は一部を解除することにより資産移換を行っている実施事業主数は02年度以降17,046事業所(09年5月末現在)となっている。

    移換先は企業規模(従業員数)により大企業(1,000人以上)では既に半数以上の企業が見直しが済んでおり、その移換先はDB32.2%、DC26.7%、小規模企業(100人未満)では中退共への移換が24.3%と多く、企業年金への移行は14.8%となっている。

    現存の適年実施企業制度見直しを予定している企業は1/4に留まり、どれに移行するか未定としている企業も約1/4となっており、その移行先もDB10%、DC8%前後と少ない。

    ただ、問題は適年の約半分は他の企業年金に移行することなく廃止されており今後も企業年金の減少が続くことが予想される。このため、移行が円滑に行われるよう09年1月に「適格退職年金の企業年金への移行支援本部」が発足し、08年度に次のような規制緩和が実施された。

     @ 企業ごとの個別資産管理が可能になった。
     A 障害・遺族給付金の基準額が改正された。
     B 給付額の算定方法設計の明確化、弾力化が行われた。


    ◆企業年金の新たな動向
        2004年年金制度改正による企業年金分野での主な改正は
       
         1 厚生年金基金の改正
          2 企業年金(DC及びDB)の利便性の改正の2点です。
        
      
     1 厚生年金基金関係
     
     @ 免除保険料率の凍結解除
       2.4%〜3.0%(平均2.7%)⇒2.4%〜5.0%(平均3.7%)へと実質的に引上げられた。(2005年4月施行)
       この結果基金の収入は1.4倍に増加し、財政運営が比較的楽になった。その反面、厚生年金本体の予定利率の
           引下げ(年  5.5%⇒3.2%)に伴い発生するはずの最低責任準備金の増大は制度的におさえられることになった。

     A 離婚時分割の基金からの徴収額の計算・手続きの決定
       厚生年金本体に関して離婚時の年金分割がスタートしたことに伴い、分割を受ける者への給付必要額について
           国が 報酬比例部分を代行する基金から徴収する額の計算式、手続きなどが決められた。(2007年4月施行)

     B 企業年金の財政検証についての弾力化措置を対応策とした改正
       基金の運用環境の低迷により基金財政が悪化しており、その対策として積立金不足解消のための追加掛金の
       拠出を 最大2年間猶予する。一定基準までの不足額は解消しなくてもよいというルールの導入。
       追加掛金算定にあたり、 直近の利率を用いて計算できるように改める等

     2 DC(確定拠出年金)関係

     @ DC拠出限度額の引き上げ
       企業型年金、個人型年金それぞれ1人当たりの拠出限度額が2004年10月に引上げられた。

     A 他の年金制度から企業型年金への制度移行時における過去分積立資産の移管限度額が撤廃された。
       これによりDBからDCへの移行に関するハードルは低くなったが、将来分の移行に関しては拠出限度額があり
       全面的な制度移行にはなっていない。

     B 積立資産の中途引出し要件の緩和
       転退職後、DCへの拠出ができない者(第3号被保険者等)については、加入期間3年以下の場合に加えて、
       資産額が50万円以下の場合にも中途引出しがみとめられるようになった。(2005年10月より)

     C DC拠出限度額の引上げ……2010年1月実施

         《企業型年金》
          ・他の企業年金がない場合     月額 46,000円 ⇒ 51,000円
          ・他の企業年金がある場合     月額 23,000円 ⇒ 25,500円

         《個人型年金》
          ・企業年金がない場合        月額 18,000円 ⇒ 23,000円
          ・自営業者等第1号被保険者    月額 68,000円   (変更なし)


    老後保障が手薄になるなるのを回避するため、厚労省では次のような企業年金の拡充策を検討している。

    @改良キャッシュバランス・プラン
     指標利率に国債以外の指標を認める
    Aフロア・オフセット・プラン
     最低保障額又は拠出プラス運用益のいずれか大きい方の選択可能
    BコレクテイブDC
     DCではあるが個人勘定を持たない、枠組みはDBに近いなど、給付設計の選択肢が検討されている。

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